見せ場から、構造を組み立てる
―― 設計ソリューションとコレタツ、構造の二つの立ち位置
RIBは、企画・意匠・構造の専門家が集まったチームです。現在、「設計ソリューション」と「コレタツ」という二つのサービスを運営しています。どちらにも構造設計者が関わっていますが、構造が担う役割、いわば立ち位置は異なります。今回は構造を担当する立場から、その違いを整理してみます。
■ 二つに共通する土台
間取りが決まったあとで梁や耐力壁を合わせようとすると、調整が生じがちです。例えば梁が大きくなって天井が下がる、予定になかった柱が立つ、窓が小さくなる、などがあげられます。それに対して私たちは、プランの見せ場を確かめるところから構造の検討を始めます。吹抜や大開口など、プランの魅力の源になっている部分を建物の「核」として先に定めます。そのようにして定めた「核」、いわば意匠上の見せ場は、構造にとってはウィークポイントになることがありますが、だからこそ構造計画の見せ所にもなります。反対に、構造のために補強した箇所が、意匠のポイントになることもあります。空間の中に一本だけ立つ太い柱や、外へ張り出した断面の大きな梁がその例です。このように意匠と構造は、一方が他方の良さを消してしまう関係ではなく、互いのデザイン性を高め合う関係にもなり得るのです。
代表的な耐震要素である耐力壁の置き方は、プランによって変わります。外周や水廻りなど、要所に集めることもあれば、建物全体に分散させてバランスを取ることもあります。時には間仕切り壁に耐力壁の役割を持たせ、床や屋根といった水平の面で力を受け渡す。こうした組み立て方は、二つのサービスに共通しています。

■ 設計ソリューション:構造は「成り立たせる」役
設計ソリューションは、企画から構造計算までを一貫してお任せいただくサービスです。戸建て住宅から中規模木造、店舗や事務所など、幅広く取り扱います。ここでの構造の役割は、描かれた構想を成り立たせることです。自由度の高いプランや、ほかでは難しいと言われたプランであっても、成立する可能性がございます。大きな吹抜けがあるなど力の流れが読みにくい建物では、フレーム解析や建物の形によっては、立体解析により応力の状態をシミュレーションしながら検討しることも視野に入れています。
■ コレタツ:構造は「あらかじめ組み込む」役
コレタツは、プランを一番に届けるサービスです。工務店や設計事務所の皆さまに、壁量計算をベースにした数多くのモデルプランをご提供しています。ここでの構造の役割は、プランの中に構造の考え方を先に組み込んでおくことです。梁組や、水平力を伝えるための水平構面は、壁量計算の中に数値としては現れません。それでも、実際の架構を想定しながら意匠プランと照らし合わせ、水平力が円滑に伝わるような耐力壁の配置を意匠図に落とし込んでいます。
■ 入口が違っても
構想から一緒に組み立てたいなら設計ソリューション、まずプランを手にしたいならコレタツ。入口は違っても、どちらも構造設計者が最初から関わっています。一つの会社の中に二つの立ち位置を持つことで、それぞれの目的に合ったかたちで、意匠と構造を一つの建築にまとめていきたいと考えています。
RIB